Stap 3: 安価なDCモータの利用可能性
ジャイロをカメラ側に取り付けて、カメラ自体の回転を察知すれば、安価な模型用のDCモータ (ブラシ付きDCモータ) でもジンバルに使えるかもしれません。 しかし、この種のモータは相対的に高回転型であるため、ギアやプーリを使って減速する必要があります。
ここでは、以前作った倒立振子を1軸のジンバルに見立てて、その利用可能性を確認しました。 プログラムをジンバル用に修正して試したところ、追随性は悪くないものの、標準的な振動対策では振動を抑えきれないことが分かりました。 (開発動画(1)参照)
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■開発動画 (1): ブラシ付きDCモータを使った1軸ジンバル
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この振動の主な原因は、使用したギア・ボックスのバックラッシュ(ガタ、遊び) です。 ギアが噛み合っている時とそうでないときとでは、角度や角速度の評価値が同じでも、モータの制御は異なります。 しかし、ギアが噛み合っているか否かをリアルタイムで区別するのは簡単ではありません。
制御の感度を下げれば、振動をある程度抑えることもできます (開発動画(2)参照) 。 しかし、ギアが噛み合っていない間は制御を放置することになります。 したがって、カメラのジンバルに安価なDCモータを用いるには、バックラッシュが極めて小さな (ガタを感じない) 減速装置が求められます。 しかし、そうした装置の作成は難しいと判断しました。
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■開発動画 (2): ブラシ付きDCモータを使った1軸ジンバルの改良